部会設立趣旨

近年および将来の天文観測は大規模かつ先鋭化を極め,天文学者にとっての所望の装置の着想から開発に至る道のりは険しく長くなりつつある.特に着想のプロセスは将来獲得する成果を左右する極めて重要な作業であり,それには広く専門家間の情報共有と検討が必要であろう.すなわちこれからの天文学の発展のためには,今まで以上に工学分野との連携が不可欠かつ喫緊の課題となっている。

本調査研究委員会では,工学から天文学へのスムーズな技術応用の機会を設けることにより,我が国の工学技術を結集した高性能かつ独創性の高い天文観測装置を創造することを設立の目的とする.そのために本調査研究委員会では,天文観測装置を足掛かりに工学技術および科学的動機づけによる異なる学術分野間の交流をこれまで以上に促進する.その活動の結果,最先端の工学技術の天文観測装置への応用を検討し,さらには工学の視点から新機軸の天文観測装置を創造する.